『佐藤可士和の超整理術』を読み終わったのですが、10年以上前に書かれた本とは思えないくらい、先鋭的な内容でした。
最初に目を引いたのは表紙のシンプルさなのですが、洋書と並べても違和感ないくらいに綺麗なんですよね。
最近の書籍って、ちょっといじりすぎなきらいがあるので、逆に際立っています。
内容は、
- 空間の整理術
- 情報の整理術
- 思考の整理術
と、整理するものを大きく三つに分類して、それぞれ解説し、最後に事例を紹介して締めくくっているのですが、もう、本の中身も非常に整っていて、スッキリしています。振り返りやすいし、思い出しやすい。
微妙に間違っているかもしれないけど、こんな感じ。
「見える化する→並べる→優先順位をつける→本質を見つける→課題を設定する」
片付けたいところは、一旦ひっくり返して中身を全部出してから、カテゴリごとに分けて、それからしまう、というのは、実は私も子供の頃に教わった片付け方のテクニックで、今もやっているのですが、「優先順位=プライオリティ」をつけるというのはやっていなくて、自分に抜けていた工程だと思いました。
捨てるには、プライオリティをつけることが大切だということも、そうだったのかーという感じです。
「1年使わなかったものは、この先もずっと使わない」とか、そういうまどろっこしいやり方をしていました。捨てるか取っておくか決めるのに1年もかかるのはけっこうなロスかもしれない。
佐藤可士和って、センスだ感性だって言われてるけど、考えることを放棄しない、という、脳のスタミナがすごい人なんだと本書を読んで感じました。
それはそれで才能なのかもしれないけれど。なんか、「この下に水脈がある」っていうのを感じ取れる才能なのかな。だから、ただの地面にしか見えないところも掘り始めて、続けられるというか。
そして水がわーって出てきたら、もう最高ですよね、それはそうだ。
アートディレクションとは、決して虚飾のイメージを作り出すものではなく、本質からアイデアを導き出している。
本質を探るとは、深く掘っていくように思いがちだけど、そうではなく、視点を高く、マクロから見るということ。
水脈を探すことと重ねると、高い位置から地形を見ること、と置き換えられるかな。
とてもしっくりくる考え方でした。
今週もどうかご無事で。